本人確認は、消費者向けアプリケーションにおいて一般的になりました。銀行の新規顧客登録からアカウント復元まで、本人確認は保証を強化する最も効果的な方法のひとつです。本人確認とは、政府発行の身分証明書を調べ、それが有効であり、改ざんされておらず、生体情報が個人と一致することを確かめることで、ユーザーの身元を確認するプロセスです。
アカウント開設、コンプライアンス、アカウント乗っ取りの防止、アカウント復元において、本人確認（IDV）は信頼性を高め、リスクを減らします。アカウント復元の際に手作業でIDVを行うのは目新しいことではありませんが、自動化とAIにより、時間のかかる従来の方法よりも大きな利点がもたらされます。
ある企業が本人確認を用いたユーザビリティの改善、煩わしさの解消、コスト削減によって復元フローを強化した例を見てみましょう。
Webホスティングサービスにおいて、本人確認がアカウント復元の安全性を高め簡素化を実現した例
良かれと思って行った作業が、余計な面倒を引き起こすことがあります。あるWebホスティング・サイト構築サービスでは、アカウント復元の方法が、顧客離れや高額の経費、煩わしさの原因となっていることに気づき、この問題に取り組みました。
当初のフローでは、顧客はいくつかの選択肢の中からアカウント復元の方法を選ぶことができました。登録した電子メールアドレスがまだ使えていれば、これは比較的簡単なことでした。しかし、メールアカウントにアクセスできなくなっている顧客にとっては、このプロセスは非常に困難でした。
まず、そのアカウントに紐づけられた元のクレジットカード情報を提示するよう求められます。しかし、元々購入したのが何年も前で、どのカードを使ったか忘れているようなお客さまにとっては、それ自体が大変な要求です。それができない場合は政府発行の身分証明書の提示を求められ、常勤のスタッフがそれを手作業で確認します。確認が済むまで1週間近くかかることもあり、あまりにも長い間、顧客を待たせることになります。
この企業では、AIを活用した本人確認だけでアカウントを復元できるようにすることで、経費を削減し、顧客の離脱を減らし、本人確認にかかる時間をわずか数分にまで短縮することができました。運営コストを削減しながら、失われた収益を効果的に取り戻したのです。
AIを活用した本人確認のメリット
上の例で示したように、手作業による本人確認を不要にすることで、コストを削減し、より高度なセルフサービスを可能にし、シームレスなエンドツーエンドの体験を実現できます。回答まで顧客を5日間も待たせていたものが、わずか1分足らずで済むようになります。
手順はかなりシンプルです。顧客は正規の身分証明書をスキャンし、短い自撮り動画を撮影します。IDVサービスは、一連の生体検知技術、生体情報照合、信頼性検証プロトコルを用いることで、訓練を受けた人間と同等に、またははるかに高い精度で、ユーザーの身元を確認することができます。また、IDを組織が持つ記録と照らし合わせることができる点も重要です。
本人確認のメリットのごく一部を挙げてみましょう。
- 規制要件の遵守
- 悪質業者によるアカウントの作成防止
- アカウント乗っ取り詐欺の削減
- アカウント復元プロセスにおける保証の強化、顧客離脱の減少、ユーザビリティの改善
強力なAIを活用した本人確認は、サイロ化された状態で運用する場合はその期待される機能の一部しか果たせないことにご注意ください。本人確認は、包括的なCIAMプラットフォームによってサービスがオーケストレーションされる場合に、より多くの革新的なメリットを提供できます。
統一されたCIAMの一環として本人確認を行うメリット
リアルタイムのリスクエンジンと組み合わせることで、検証セッションのたびに脅威の検出が実行されます。リスク指標が示され、ユーザーのIDがより確実に保証されます。プログレッシブなプロファイリングでユーザーの行動とデバイスの特性の履歴を構築することにより、異常をより的確に検知し、より正確なステップアップ認証を可能にしながらも、正当なユーザーを混乱させることはありません。
統一されたプラットフォームで本人確認をサポートすることで、アカウント開設から復元まで、シームレスでストレスのないエンドツーエンドのユーザビリティを実現します。一方、多くの組織が複数のベンダーを利用してIDエコシステムを構築していますが、そのほとんどが統合に手間がかかることを認めています。パスワードレス認証やポリシーエンジンなど、他のサービスに本人確認を組み込む場合、それらがすべて同じ拡張可能なプラットフォームの構成要素である方が簡単かつ効果的に行えます。そもそも、IDベンダーを追加する費用を削減できます。
ゼロから始める場合でも、既存のIDスタックに当社のサービスを追加する場合でも、Transmit Securityなら簡単に統合することができます。統合が簡単なので、余計な費用や変更を気にする必要なく、ソリューションとユーザビリティがうまく調和します。それと同時に、お使いの本人確認サービスにプラグアンドプレイできる認証ツールや適応型リスクエンジンも備えています。
拡張可能なソリューションを1日以内で試すことができます。ぜひご自分の目で確かめてください。
