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パスワードレス認証がビジネスに恩恵をもたらす5つの理由

顧客体験はスムーズで手軽に行えるべきという原則に異議を唱える人はいないでしょう。しかし、実際は、個人によるパスワード管理は、ルールや答えが絶えず変わる雑学クイズのようなものです。ログイン情報による認証システムは、例えばNetflixのアカウントを共有するのは簡単ですが、その反面忘れやすく、ハッキングのリスクがあります。

そこで、パスワードから脱却し、CIAM(顧客IDおよびアクセス管理)に移行することで、大きなメリットが得られます。FIDO2による生体認証システムであれば本人確認が瞬時に行えます。システムが的確に設計されていれば、セキュリティのかかったドアを通る際に立ち止まるようなことは起きません。簡単でスムーズにアクセスできることこそ、まさに顧客が望んでいることなのです。さらに、83%の顧客が生体認証のほうが安全だと考えています。

こうした点から、セキュリティの強化や、顧客体験の向上も視野に入れた、パスワードレスな顧客認証が急速に普及しつつあります。そのような技術では顔認証や指紋認証によって瞬時にアクセスすることができます。このように手軽さが増すことで、ビジネスも成長していきます。その理由をご紹介していきましょう。

1) 顧客がパスワードを忘れたことにより33%の売上が消失

驚かれるかもしれませんが、これは実際の話です。先週、娘を迎えに行く途中、素敵な濃い青緑色をした、夏物のミュールを見つけ、スマートフォンのオンライン決済で購入しようとしました。まるで、雨の中から快晴の楽園に瞬間移動したような気分でしたが、いざ購入しようとするとアカウントにログインすることができませんでした。

これは、誰もが経験していることです。今こそこの現実から目を背けず、問題を解決するときです。繰返しになりますが、オンラインでの売上の3分の1が失われているのです。その後、私がノートPCに保存しているログイン情報を確認して、その靴を買ったかと言えば、残念ながらそうはなりませんでした。それどころか、帰宅後は長靴をはいたまま夕食の準備をしていました。私のように買い物を途中で止めた人は大勢いるはずです。このように、ログイン時のトラブルによって、毎日膨大な額のオンラインでの売上が失われているのです。

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2) パスワードからの脱却による売上増加

顧客は生体認証の導入を待っています。マスターカードの市場レポート※1によると、93%がパスワードよりも生体認証を好むと回答しており、89%が顔認証や指紋認証をパスワードよりも安全もしくは同じくらい信頼できると考えていることが分かりました。

生体認証を導入することで、顧客にシームレスで一貫した体験を提供することができます。ストレスを取り除くことで、顧客はビジネスチャンスを得るだけでなく、サービスを利用して、ショッピングやブラウジングを自由に楽しめるようになり、これまでにログイントラブルが原因で失った売上の33%を始めとして収益が増加することを期待できるでしょう。

3) パスワードレス認証でコストも削減

生体認証には攻撃可能なスキを小さくする効果もあります。ハッカーからみれば、盗むパスワードがないのですから、アカウントに侵入するための重要な武器を奪われたことになります。ベライゾン社によると、インターネット上の違法行為の80%はパスワードによるものです。1回の攻撃による被害額が数百万ドルに上ることもあるので、アカウントの乗っ取りを防ぐことで、守られる金額は決して小さくありません。

また、カスタマーサポートのコスト削減も期待できます。ヘルプデスクへの問い合わせの最大40%がパスワードのリセット要求に関するものであるという調査結果があります。パスワードレス認証によって、こうした問い合わせやそれに伴う顧客の不満が解消あるいは軽減されることが期待されます。

顧客が再利用可能なパスワードを使用するときに必要となることが多いセキュリティパッチワークをなくすことも、コストの削減につながります。このセキュリティパッチワークには大抵、SMSを使ったワンタイムパスコード、プッシュ認証アプリ、本人にしか分からない合言葉、CAPTCHAシステムが含まれます。これらには、直接的なコスト(通常は従量制)に加えて、ウェブサイトへの統合やメンテナンス、サポートにも時間や労力がかかります。

4) 認証方法を強化することでライセンスの悪用を防止

たとえば、4歳の子どもに物事を教える際に、「共有」は役立つ方法です。しかし、顧客が語学学習アプリのアカウントパスワードを他人と共有してしまうと、会社にとってもその従業員にとっても不利益となり、困ったことになります。しかし、生体認証システムを導入すれば、こうした状況の改善も図れます。

この話題については、次の2つのブログ(英語)で取り上げています:Why Password Sharing Kills Your Bottom Line(パスワード共有が減収を引き起こす理由)、「Netflix Is onto Users Who Share Their Passwords」(Netflixがパスワードを共有するユーザーを追跡)。どちらも、ライセンスの悪用やその防止方法について詳しく知る上で、参考になる内容となっています。

5) パスワードレス認証の正しい運用は拡張性に優れ、その展開も迅速です。どのようなデバイスであっても、あらゆるチャネルでユーザーの本人確認が可能です。

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すでにさまざまなCIAMソリューションが提供されており、アプローチも多岐にわたるため、賢い選択が求められます。BindIDは、FIDO2 WebAuthnによる生体認証に加え、OpenID Connectプロトコルのメリットも提供するソリューションです。この組み合わせによって、セキュリティが強化されると同時に、Webアプリからモバイルアプリ、コールセンター、キオスク、その他小売店まで、あらゆるアプリやチャネルでの展開が容易に行えます。これにより、顧客は真の意味でオムニチャネルな体験をすることになります。

BindIDは業界で唯一、アプリが不要なパスワードレス認証です。アプリはニーズに応じたオプションに過ぎません。顧客にアプリのダウンロードを求めなければ、普及率を高めると同時に、ストレスを減らすことも可能になります。

 パスワードレス認証システムを正しく実装することで、御社のビジネスに新しい可能性が開かれます。

BindIDがどのようにして売上の向上に貢献するか、こちらでご確認ください


¹ MasterCard, “Biometrics: Meeting the Challenge of authentication and payments technology,” Market Intelligence Report; 2019年3月9日更新.

Author

  • Brooks Flanders, Marketing Content Manager

    米国が全国的なサイバーアラートシステムを立ち上げた2004年、世界最大級のサイバーセキュリティ企業で執筆活動を開始。当時は、企業におけるセキュリティや、通常の防御を迂回することを意図した非常に巧妙な脅威について論じていました。それから16年が経ちますが、複雑なセキュリティ問題の解決に取り組む企業を支援することへの熱意は、一向に衰えを見せません。